山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

ユニクロの強さの秘密はTシャツを見るだけでもわかる。









こんにちは。クーラーの無い部屋で仕事をしているファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。これからもっと暑くなってきたらどうしましょう…。
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・UTの気になるディテール



昨日アップしたUTの記事。


山田耕史のファッションブログ:ユニクロのUTはオジサン好みのネタが多いので父の日にオススメ。
この記事を書く為に購入した商品を撮影していると、気になる仕様がありました。

それがこちら。



首の後ろ側のリブの下に、商品タグを付けるループが縫い付けられています。



これは​ ​店頭での作業効率アップを考えての仕様だと思います。

僕は20年近く前にユニクロでアルバイトをしていた事があったのですが、当時は確か商品にタグを付けるにはタグガン(これがタグガンという名称だという事と、こんなのもAmazonに売っていてこれくらいの値段だという事を今知りました笑)を使っていたと思います。

​​価格ラベル·タグ タグガン:¥ 760



ですが、この仕様だとタグガンは不要でタグファスナー(これもこんな名称である事を今知りました笑)があればタグが付けられます。

タグファスナー ( ループピン ):¥ 1,510



バイトしていた当時はタグガンが店舗に2つくらいしかなくて、他の人がタグガンを使っているとタグが付けられない、という状態があった気がしますが、タグガンが必要なければそのような時間のロスはなくなります。

また、首元ににタグがあるとレジ打ちがしやすくなります。服の内側に縫い付けられた品質タグに値札を付けているブランドも多いですが、これってレジ打ちの時にちょっと面倒だったりするんですよね。

このように、このタグ付けループ仕様には、
店頭での作業を可能な限り簡略化しようとする、ユニクロの企業努力なのでしょう。

そして、この​ ​一見小さく見える企業努力が多くのアパレルが苦戦している中、ユニクロが成長している理由なのだと思います。


・PDCAサイクルが回りにくいアパレル企業



以前も当ブログで書いた事がありますが、​ 近年多くのアパレル企業が衰退している原因のひとつに、PDCAサイクルの遅さ​があると思います。

山田耕史のファッションブログ:アパレル企業はファストファッション型しか生き残れないと思う理由。

アパレル業界からIT業界に転職した僕が一番驚いたのがPDCAサイクルの早さです。上掲の記事から引用します。


私はファッション企画会社を退職後、ITベンチャー企業に転職しました。そこではウェブサービス、EC、アプリの企画運営などに携わりましたが、ファッション業界とIT業界との最大の違いはビジネスのスピード感だと思いました。
IT業界のPDCAサイクルは遅くても「週」単位、早ければ「日」や「時間」。「分」単位で回されているサービスもあるでしょう。ユーザーの反応が悪ければその原因を探り、すぐに改善する。このフットワークの軽さがIT業界の特徴です。

一般的なアパレル企業は企画した商品が店頭に並ぶまで1年以上という長い時間を必要とします。そしてそれが売れた、売れなかったの結果が出てその反省を次の企画に生かすとしても、また1年以上の時間がかかってしまうという、とても
PDCAサイクルが回しにくいビジネスモデルです。

ですが、今まで僕は多くのアパレル企業とお仕事をしてきましたが、
PDCAサイクルが遅い、という以前にそもそもPDCAサイクルって何?みたいなアパレル企業は少なくないと思います。

おそらくユニクロは一般的なアパレル企業よりも、きちんとPDCAサイクルを回しているのでしょう。エアリズムやヒートテックといった機能素材は毎年必ず機能をアップさせていますし、まだまだ発展途上ではありますが商品のファッション性も年々向上しています。

多くのアパレルは商品企画、特にデザインがどうしたこうしたに多くの時間を費やしがちですが、ファッショントレンドがどんどん力を失いつつある今、どれだけ
デザインやコンセプトで差別化を図ってもなかなか売れる商品というのは生み出しづらいでしょう。

そんな中ユニクロは商品企画だけでなく、今回ご紹介したような店頭業務効率化という面でも改善を続けています。

GUでは他社に先駆けてセルフレジも導入しています。



山田耕史のファッションブログ:近づく未来!ビックロのguのセルフレジを画像多めでレポート。

僕は何度もこのセルフレジを使っていますが、本当に便利です。慣れれば30秒くらいで一連の手順は終わります。


また、冒頭の画像からもわかるように、今年からユニクロは商品タグにREIDを採用しています。このような先進的な取り組みに日本で最も積極的なアパレル企業はユニクロでしょう。




・打倒ユニクロに必要な事



このように、商品もサービスも日々進化を続けているユニクロ。それを支えているのは​ ​ユニクロのビジネスのスピード感と、新しいテクノロジーや仕組みを取り入れる柔軟性だと思います。ユニクロは他のアパレル企業よりもIT企業的な性格がとても強いのではないでしょうか。

IT企業の全てが優れている、という訳ではありませんが圧倒的なスピードで変化を続ける現代のビジネスにはIT企業的なスピード感は必須だと思います。

打倒ユニクロを掲げる企業は少なくありません。

イオン、株主に誓った「打倒ユニクロ・ニトリ」 | 百貨店・量販店・総合スーパー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

​ユニクロを超える為にはユニクロを上回るスピード感と柔軟性が必要になるでしょうが、打倒ユニクロを掲げる企業はそれが可能なのでしょうか。​

最後までご覧いただきありがとうございました!

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