山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

セレクトショップは進化しているのか?



 

・え、ビームスで今でもこんな服売ってるの?

先日ショッピングセンターにある、とあるセレクトショップ(と呼んでいいのかな?)で見かけた一着。

僕が前々職のファッション企画会社に入った10年くらい前からよく目にしていたデザインです。こういったデザインってもうマスに拡大しきっていて、しまむらや、それよりももっとマスの中高校生をターゲットとしたショップなんかでも随分前から売られているのに、未だにセレクトショップの店頭に置かれていることが驚きでした。
その後、調べてみると大手セレクトショップでも同じようなデザインの商品がまだまだ売られていることがわかりました。

トリコロールをアクセントにしたシャツなんて、キッズでも手垢がつきまくっているくらいのマスに浸透しまくったデザインです。Amazonでも同じようなデザインのキッズ服はたくさんみつかります。
Amigoyo :¥ 1,980
(記事執筆時の価格です)

 でも、ビームスは今でもそんな、
なんの鮮度もないデザインの商品を売っているのです。      


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・セレクトショップは進化しているのか?

こういった商品を置いている理由は売れるからなんでしょう。
セレクトショップ=最先端のオシャレ!みたいなイメージがありますが、意外と客層は広く、ファッションに興味を持ち始めたばかりの人も少なくありません。
以前こんな記事を書きました。

www.yamadakoji.com

昔のセレクトショップのオリジナルアイテムは、服好きの痒いところに手が届くような、作り手の思い入れが感じられる商品が多かったのですが、上掲の商品はそういったマスの客向けにつくられているのでしょう。
それも理解できますが、売れるからといって
10年間同じようなデザインの商品を売り続けていたら、消費者の感性は10年間成長しないままです。
作り手がバージョンアップしてくれないと、消費者はなかなかバージョンアップできません。
売れるからといってデザインをそのままにするのではなく、年々少しずつでもデザインをバージョンアップして、
消費者の感性もバージョンアップさせてくれるような、新しい価値観を提案してくれるセレクトショップオリジナルアイテムが増えてくれたらな、と願っています。

最後までご覧いただきありがとうございました!