山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

どうすればモード系は復活するかを考えた。



【このエントリのポイント】付加価値次第でモード系も復活するかも

こんにちは。

初めてMacBookでブログを書いている

ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。

キーボードが打ちにくいです…。




・モード系の今


先日ファッションワールド東京という展示会で

昔の同僚、金澤文恵さんと久し振りの再会しました。

パートナーと一緒にVALENTIJN VANMEIRというブランドで

服やアクセサリーを出展していました。

















シャープなシルエットと幾何学を主体にしたデザイン。

ファッションテイストで分類するとモード系という感じでしょう。

・15年トレンドから遠ざかっているモード系


今、日本のファッションで元気が無いファッションテイストのひとつとして、

モード系が挙げられると思います。

私がファッションに最も熱中していた90年代末は

現時点では最後のモード系が盛り上がった時代と言えるでしょう。

ダークビッケンバーグやマサキマツシマなどのモード系ブランドが人気で

メンズノンノやポパイ、今は亡きチェックメイトなどの

メンズファッション誌はモード系ブランドが中心。

当時私が住んでいた神戸にもボードレーやマックスウェルなど、

モード系セレクトショップが沢山ありました。

モード系の人気が下がり始めたのは2000年代初頭でしょうか。

最近神戸に帰省して街を歩いてみても、

モード系ショップは殆ど見当たりません。

モード系を扱う雑誌も減りました。

・リアルクローズ全盛の今だからこそのモード系


今、ファッション市場の主流はリアルクローズ。

ベーシックなデザインでリーズナブルなユニクロや

機能性が高く使い勝手の良いアウトドア・スポーツブランドのアイテムが人気です。

私は以前からモード系が復活するには

まだ当分時間がかかるのではないかと思っていました。

が、今回VALENTIJN VANMEIRを見ていて気付いた 事がありました。

それは「逆張り」の可能性です。

市場同様、今回の展示会もリアルクローズが中心だったのですが、

周りがリアルクローズ一色になってしまうと

逆にモード系のブランドが目立つのです。

実際、展示会でVALENTIJN VANMEIRは好評だったようで、

国内外を問わず多くのバイヤーから声を掛けられたそうです。

・ふたつの気持ち


ファッションを選ぶ原動力となる気持ちには大きく分けて二種類あります。

ひとつはテレビや雑誌などで格好良い人を見て、

自分も同じような服を着てクールになりたい!と思う気持ち。

そしてもうひとつは

人と同じ格好はしたくない!という気持ちです。

今、街を見渡せばリアルクローズを着た人ばかり。

ショップもリアルクローズばかりです。

そんな状況に嫌気がさしてモード系ファッションに心が向かう人は

多くはないかもしれませんが、確実に存在するでしょう。

・デザイン性+αの付加価値は必須


では個性的なモード系ファッションを発信していれば

一定の購買客が見込めるかというと、

そんなに簡単なものではないと思います。

消費者の目はどんどん厳しくなっています。

ファストファッションブランドの普及で

デザイン性の高いアイテムが低価格で買えるようになりましたし、

ユニクロの登場で消費者が求める品質はより高まっています。

特に日本の消費者の要求する品質の高さは世界一と言って良いでしょう。

今やモード系ブランドと言えど高いデザイン性やブランドネームだけでは

なかなか買ってもらえないと思います。

買ってもらう為には何か付加価値が必要となるでしょう。

例えばVALENTIJN VANMEIRではひとつで三通り着られるボトムスをつくったり、







より女性が細く見えるシルエットを研究したりしているそうです。

・モード系ならではの付加価値


このような付加価値の付け方はモード系ならではでしょう。

シルエットや素材でなかなか遊びが効かないリアルクローズには難しい事です。

今や日本だけでなく世界中がリアルクローズ一辺倒になってきており、

元々モード系が好きだった私としては少し味気ない気がしています。

こういった分野でモード系の注目度が再び高まってくれれば

モード系好きの私は嬉しいですね。



最後までご覧いただきありがとうございました!

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